博士(人間科学)
専門領域:感性  志岐幸子


「感性」は、日常生活のあらゆる場面で、誰もが何気なく使っているものです。私自身が「感性」の重要性を実感したのは、テレビメディアの世界にいたときでした。
私たちは、テレビや人だけでなく、雑誌やWebサイト、電車の中吊り広告やダイレクトメールに至るまで、様々なメディアから「感性情報」を受け取り、 その影響を無意識のうちに受けています。

相手の真意を読み取ること、物事の本質を見抜くこと、言うまでもないマナーを守る意識、プレゼンテーションを成功させること、観客を感動させるベストパフォーマンスを生みだすこと、 常識を打ち破る発想、患者の痛みを感じ取ること、事前に危機を察知し回避すること等々……。すべては「感性」が基盤になっています。

   
 


たくさんのグッズや方法が溢れる昨今の癒しブームの中、自分に合った癒し方を見極める際にも、私たちは「感性」を拠りどころとしています。
「感性」が正常に働いていないと、癒しも誤った方向に行ってしまうことがあります。
人間としての私たちの一日は、「感性」あってこそ成り立つものなのです。

ビジネス、教育、サービス、政治、経済、スポーツ、芸術、科学、医療、学問、癒し産業、もの作り、製造…… どのような分野でも、「感性の力」の発揮なくしてベストパフォーマンスや感動は生まれません。癒し・感動・満足感・幸福感を自らが得ること、そして同じものを周囲にもたらすためにも、「感性の力」が必要です。

拙著『岡田武史監督と考えた「スポーツと感性」』(日本経済新聞出版社,2008)には、「感性」の定義や仕組みの他、国内外の多数のトップアスリートやその指導者たちの「ゾーン」・「感性」について語った言葉から考えられる「ベストな状況を生みだすためにどんなことが必要か」を綴っております。どんな分野にも共通する「感性を磨き、感性の力を発揮するためにできること」は、スポーツ界で頂点を極め、感動を生んだ「感性」に学ぶところが多いと思われるのです。

 
 
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